「北欧ヴィンテージとチーク材」こだわりを詰め込んだ注文住宅

シンプルでモダンな空間に、チーク材を中心とした木材の色合いが印象的な@casa_omameさんのお宅。昔から好きだったという北欧の家具の配置をイメージしながら、こだわりをしっかりと実現するために取り組んだことなど、これから家を建てたり、リフォームしたいと考えている人にも役立つヒントをお伺いしました。

インスタグラムで素敵なご自宅の様子をアップしている@casa_omameさん。ご主人と2人暮らしで、埼玉に4LDKの一戸建てを2017年9月に完成させました。以前から北欧のインテリアや家具が大好きだったこともあり、間取り等を決める段階から、置きたい家具やその配置はイメージできていたそうです。

目次

自ら住宅用3Dデザインソフトを使って
設計士にリクエストするこだわりっぷり

トップの写真と見比べてみてください。ほぼイメージどおりに仕上がっていることがよく分かります。新居のイメージが固まっていた@casa_omameさんは、「3DマイホームデザイナーPRO」というソフトを購入し、間取りや家具配置のイメージや希望を設計士さんなどに伝えていたそう。間取りや平面図、立体図形が素人でも簡単に作成できるそうです。「実際に家が造られていく過程で、作成したイメージと実物が重なっていく瞬間は、とても興奮する体験でした。注文住宅は自分の希望に合わせた間取りや内装にできるので、完成までの期間はとても楽しかったです」(@casa_omameさん・以下同)。

経年変化も楽しめる「チーク材」が好き。
だから、家具も建材も自分で探す!

設計当初からリビングに置きたかった『カイ・クリスチャンセン』の1960年代のペーパーナイフソファと、それに合わせて購入した『宮崎椅子製作所』の現行品オットマン。共に無垢材のみで作られた贅沢な品。

家具も木材もチークの色を基調にすることで、家全体の統一感を保つようにしているという@casa_omameさん。好みの色や質感を求め、家具のみならず建材も自分で見つけてきたそうです!「特に床材は予算に大きく関わる部分でしたのでかなり悩みましたが、最後までこだわって選んでよかったです。北欧ヴィンテージの家具はなかなかいいお値段がするので、買うときは一大決心が必要なのですが、大切に使えば決して価値が落ちません。そういうところも魅力的ですね」

ダイニングキッチンは天井までチーク材にして
広々と落ち着いた空間を演出

ダイニングテーブルは『ポール・M・ヴォルター』。チェアは『ハンス・J・ウェグナー』のCH23と、『カイ・クリスチャンセン』のNo.42を愛用。全て1960年代のもの。

2階にあるキッチンとダイニングは、床だけでなく天井までチーク材。こうした建材も、自分たちで探したものだそう!「ダイニングのテーブルの天板や、チェアの背もたれ部分も、もちろんチーク材を使用したものを選びました。床は、『IOCフローリング』の複合フローリングです。予算を抑えるため、無垢のチーク材を張り合わせたユニタイプにしましたが、継ぎ目にも表情が出てよかったと思っています。暗すぎず明るすぎないあめ色なので、床と天井をチーク材にしても重たくならず、程よい落ち着きが心地いい場所です。キッチン奥のパントリー内までつなげることで奥行きが強調されて広く見えるんです」。木張りの天井はあえて目地を目立たせてアクセントに。「夫の執念と大工さんのアイデアによって実現した賜物で、とても気に入っています」

ウォルナットの棚板にラタンの小物。
材質を変えるだけでもメリハリが生まれる

壁付けの飾り棚には『リサ・ラーソン』などお気に入り北欧雑貨を。あえてスペースをあけて配置することで、スマートな印象にまとまっています。

フローリングや家具はチークがメインですが、ダイニングにある壁付けの飾り棚にはウォルナットを使用。この棚板も、@casa_omameさん自ら購入し、現場まで届けたもの。「無垢のウォルナットの板2枚に、チークオイルを夫婦で汗だくになりながら塗り、出勤前に大工さんに渡して取り付けてもらいました。『棚にするなんてもったいない!』と言われたこともいい思い出です(笑)」。飾り棚の下に置いたカップボードは、『サンワカンパニー』と『無印良品』のコラボ家具。こちらもウォルナット材にして統一感を出したそう。「棚板とカップボードはウォルナット、ダイニングテーブルとチェアはチークとオーク材、棚上の小物にラタンなど、少しずつ色味の違う木材を配置して、ダイニングは濃淡とメリハリをつけてアクセントにしています」

家具やチーク材の床が引き立つように
モルタルの土間にした玄関が
実は、いちばんのお気に入りの場所

家具や木材の色合いが引き立つよう、広いモルタルの土間にスケルトン階段のシンプルな玄関。この構図も、設計の初期段階から考えていたもの。

特に@casa_omameさんが気に入っているのは玄関。「インテリアショップのようなモルタルやタイル床がある居住空間に憧れていたので、玄関は我が家で最も贅沢にスペースをとりました。FIX窓から見える中庭のシンボルツリー、土間やスケルトン階段も当初から希望していたもの」。ご主人の希望だったスケルトン階段は、踏み板にゴムの木の集成材を選び、なじみやすいようチーク色に塗装したそう。「ちなみに反対側にあるシューズインクローゼットは、予算を抑えたかったので造作家具はなく、収納棚は夫婦でDIYで取り付けました(笑)」

玄関正面のサイドボードは『ACTUS』で現品セールで購入したH.W.Fシリーズ。すらりとした脚が北欧らしい『ジェイエルムラー』のNo.75チェアとNo.80Aスツールは、どちらもニールス・O・ムラーがデザインした1960年代のもの。

「艶のあるチーク材の色と、圧迫感のないすらっと伸びた細い脚がお気に入りです」。デンマーク人画家ジャック・カンプマン作のリトグラフや、季節の植物を添えて彩りもプラス。「モルタルの無機質なこの場所に北欧家具や植物を置くと、室内とはまた違った雰囲気になるんです」。チーク材の魅力は、「明るすぎず暗すぎない色味と、経年変化による温もりが暖かい雰囲気を与えてくれるところ」だと話す@casa_omameさん。住まいがお気に入りの空間に近づいていくにつれ、家にいる時間が今まで以上に楽しめるようになったそうです。「インテリアに合わせて季節ごとの植物を楽しんだり、音楽を聴きながらくつろいだりと、この家で暮らしてからは夫婦の会話も増えたように思います」

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お話を聞いていて分かったことは、具体的なイメージを持っているか、いかに伝えることができるかで注文住宅も満足度はかなり違ってくるかもしれないということ。おまかせ部分が多ければ多いほど建売住宅に近づいていきます。しっかりとイメージがあって、それを伝えたり自ら探す行動力があった@casa_omameさんだからこそ実現した夢の家。家を建てる際には、ぜひ参考にしたいですね。