築35年の家を2世帯リノベ① 昭和の間取りを広くモダンなリビングに再生

Sさんご一家のお住まいは、奥さまの鎌倉のご実家。築35年経過した戸建てを、1年ほど前にリノベーションしました。大切な思い出の場所はそのままに、家族や友人、子供たちが楽しくくつろげる広い空間にこだわった2世帯リノベーション。“思い出”と“今の暮らし”が同居するご自宅を拝見しました。

玄関から庭まで見渡せるひと続きのリビング。

Sさんのご実家は、奥さまが5歳のときに建てられた一戸建て。幼少期からずっとご両親との3人暮らしで、社会人となり都内に就職したときも一人暮らしはせず、いつも終電を気にしながら鎌倉から通っていました。結婚後も近くで暮らしていましたが、7年前にお母さまが他界しお父さまと一緒に暮らすことに。築35年で家の各所に傷みが出始めていたこともあり、リノベーションを決めました。イメージしていたのは、みんなが集まる広々とした空間を作ること。以前は空調が効いたダイニングに家族が集まることが多く、リビングをうまく使えていませんでした。そこで、昔ながらの廊下や仕切りを取り払い、家族が空気を共有できる、ひとまとまりの空間を作ることに。

仕切りを少なくして動きやすく
開放感のあるリビングを手に入れる

二人の娘さんや遊びに来たお友だちが駆け回る広々としたリビング。玄関から奥のダイニングまでひと続きのスペースになっています。

もともとの1階は2LDK。そのうち、ひと部屋をSさんファミリーの新しい玄関として改修。残りのスペースが広いリビングに生まれ変わります。2階はお父さまの空間とし、もともとの玄関は、お父さま専用玄関に。お互いストレスの少ない住環境を目指しました。長年住んでいた実家ということもあり、改善したかった点もいろいろ。玄関が寒いこと、ダイニングキッチンの孤立、庭に出にくいなど、以前から感じていた課題をひとつずつクリアしていきました。
「実家は昔ながらの造りだったので、廊下もあったし仕切りも多い。できるだけ空間をつなげる設計にしてもらいました」(奥さま以下同)。リノベーションの中心となった1階は、2部屋をひとつのリビングに。仕切りをなくし、部屋によってバラバラだった窓の高さや天井高、床材を統一。照明もリビングからダイニングまで一直線に配置することで、一体感のある空間が手に入りました。「リビングは構造上、仕切っている壁の一部は外すことはできませんでしたが、残った壁もパーテーションのような効果があり、程よく空間が分けられて、結果オーライでした(笑)」

大きな窓から庭が見渡せて
光溢れる居心地のいいダイニング

ダイニングからも外のデッキスペースへすぐに出られます。庭の緑が感じられ、心安らぐ空間。

「庭は、出なくなると草抜きなど負担だらけなので、積極的に外に出たくなるような家にしたかったんです(笑)」と奥さま。ダイニング部分は、もともと南面の窓に加えて、西面にあった出窓を足元まで伸ばし、庭への視界を広げました。常に庭一面が見え、外側に新設したデッキから外に出やすくなり、自然をより近くに感じられるように。その結果、家族で一日家で過ごす時間も退屈しなくなったのだとか。「父が近い距離感で子育てのサポートをしてくれていますが、わざわざ公園などに行かなくても、自宅の庭で時間を気にせず遊べます」

慣れ親しんだ家の良き部分を残しつつ、今のライフスタイルに合わせたリノベーション。「快適なのはもちろん、家で家族と過ごす時間がより有意義になったことで、父も子供たちものびのびと、みんながより元気に暮らせるようになった気がします。今後もここで思い出を重ねながら過ごせることに幸せを感じています」

8歳と3歳の娘さんたちの子供部屋は2階部分に増設。将来的には2つの空間に分けるため、大きめの窓を左右それぞれに配置。お揃いのベッドは『イケア』で購入。クローゼットやおもちゃ入れとして使っている棚は、ご主人が子供の頃に使っていたものを実家から持ってきたそう。

次回は、特にこだわったという庭のデッキ部分と思い出を残したキッチンにクローズアップします。

(撮影/松本有隆)