プロの料理がおいしいのは、いい道具を使っているからというのもひとつの事実。最近はそんな料理人スペックの高機能な調理器具を買っていく一般の人も増えているそう。持っていると便利で料理の腕も上げてくれる料理道具を合羽橋の老舗料理道具店「飯田屋」でリサーチ。
丁寧でより良い暮らしを意識しするなかで料理への関心も高まり、ちょっとだけ専門的で使い勝手のいい料理道具を購入する人が増えています。「ここ数年は、見た目もスタイリッシュでプロユース感のある料理道具がよく売れています。例えば一昔前は重いと敬遠されていた鉄製フライパン。他には専門性のあるおろし金やおたまなども人気です」(飯田屋店主 飯田結太さん・以下同)。店内およそ8500点ある商品のなかから、家庭でも使いやすい人気アイテムを紹介します。
「楽楽おろしてみま専科 極み」
軽い力で楽に使えて、なんとトマトまで
ふわふわにすりおろせる仕上がりが魅力
・ Amazonでチェック!・楽天でチェック!
・飯田屋でチェック!
大根おろしは、おろし金の種類によっては力を入れないと上手におろせなかったり、過剰に水分が出てしまったり、思うようにおろせないことがよくあります。「お手持ちのおろし金に満足していない方には、こちらの商品をぜひともおすすめします。『楽楽おろしてみま専科 極み』を使えば、大根を驚くほどふわふわにおろせますよ。その秘密は、おろし金の刃の部分。食材を動かす方向で重ならないように配列した刃を、職人がひと目ずつ鋭利な“本目立て”に仕上げているため切れ味が良く、また食材の繊維をつぶさず切っておろすため、程よく水分を含みなめらかなおろしになるんです。通常、おろす面は平らですが、これは湾曲しているので食材との接地面が少なく、力を入れなくても楽におろせますよ。またショウガやパン粉、トマト(!)など、さまざまな食材のすりおろしにも対応。これ1台あれば、料理のレパートリーも広がりますよ。我が家でも大活躍中です」
「レイエ あくとりスプーン」
確実にあくだけをキャッチする
工夫が詰まった専用スプーン
煮物やシチュー、鍋料理の際に出るあく取りにおたま使う人が多いと思いますが、煮汁も一緒に取らないようにするのは地味にストレスありませんか? 「このスプーンはあくをいかに効率よくすくい取るかだけに焦点を当てていて、びっくりするぐらい使いやすいです。例えば、大きな具がゴロゴロ入った料理の場合、具と具の間に浮いてきたあくを取るのは難しいですが、これは細長いたまご型をしているので、狭い場所のあくも難なく取ることができるんです。アクと一緒にスープまですくい取ってしまう問題も、細長いスリットが入っていて、スープはそこから流れ出る仕組みになっています。つまり、純粋にあくだけを取り除くことができるんです。おたまと違い、スプーン部分が絶妙な深さ、湾曲になっているのもすくいやすさのポイントだと思います」
「エバーグリル ステンレス」
中はジューシー外はカリッ! 肉のうま味を
閉じ込めてレストラン級のステーキが焼ける
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さびにくく、手入れも楽なステンレス製フライパン。なかでも飯田屋オリジナルの「エバーグリル」が人気だとか。「以前は強火で短時間焼くことで、肉のうま味を閉じめと言われていましたが、今では弱火でじっくり長時間という調理法のほうが肉料理には適していると分かってきました。この調理法にぴったりなのが、このフライパンです。素材は鉄よりじわじわ熱が伝わるステンレスを採用。板厚3.0㎜の超極厚板で、分厚いステーキをじっくり焼くと、中はふわふわジューシーで外はカリッと焼き上がります。プロの味が家庭で再現できると、一般のお客さまからも大好評です」
「マイクロプレイン
グルメシリーズ ゼスター」
すりおろしが難しいショウガも
風味を損なわずなめらかな仕上がりに
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アメリカのキッチン用品メーカー・マイクロプレインのおろし金。本国ではチーズ用で使われることが多いそうですが、日本ではある食材をおろすのに適しているとか。「試しに自宅でショウガをおろしてみたら、ふわふわにおろすことができたんです! あの瞬間は感動モノでしたね。ショウガは繊維が強く、どんなおろし金でおろしても繊維が残ってしまうため、“最もすりおろしが難しい食材”と言われているんです。そんなショウガをふわふわにおろす鍵は、独自の技術で作られた鋭い刃。刃の1枚1枚に刃つけがされているので、まるでたくさんの小さなナイフで食材を削り取っているイメージ。ゆえにスムーズにおろすことができるのです。ショウガの他にもニンニクやチョコレート、レモンやゆずといったかんきつ類の皮も、刃の上を軽く滑らすだけで簡単にすりおろすことができます。目詰まりしにくくさっと水で流すだけできれいになる点もポイントです」
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ひとつでも料理道具がいいものに変わるとキッチンに立つやる気も出てくるもの。気になるツールを新調してお家時間を豊かに、料理を楽しくしたいものですね。
取材したのはこちら
飯田屋6代目で自称“台所ヲタク”。自身が仕入れを行う道具は必ず使ってからというポリシーを持つ。数ある料理道具のなかでもおろし金には一過言あり。