実はそれNG!入浴科学者が指摘する「お風呂の入り方」6つの間違い

冷え性だから半身浴をしていたり、ダイエットのためにお風呂でたくさん汗をかいたりしている人はけっこう多いと思います。入浴科学者の早坂信哉先生いわく、これらは間違った入浴法なんだとか。 健康や美容のためにも、正しい入浴知識を覚えておきましょう。

突然ですが、あなたはどんなお風呂の入り方をしていますか?

✔︎ 熱いお湯に長時間しっかり浸かる
✔︎ 風呂上がりに冷たい水を一気飲み
✔︎ お風呂で汗をかいてダイエットを期待
✔︎ むくみや冷え改善に半身浴
✔︎ お湯がきれいな一番風呂が好き
✔︎ お風呂の最後は冷水で毛穴を引き締める

実は上記は全て間違った入浴法なんだとか。給湯器を手掛けるリンナイの「冷え性と入浴に関する意識を徹底調査」によると、全国20〜60代の男女1000人のうち、正しい入浴知識を持っている「入浴優等生」はわずか1割。ほとんどの人はお風呂のことをあまり知らずに、毎日の入浴をしているとのこと。覚えておきたい正しい入浴法を、入浴研究の第一人者・早坂信哉先生に解説していただきます。

・NG!熱いお湯に長時間浸かる
40°Cのお湯で10分が理想。
ヒートショックや浴室熱中症に要注意!

体が冷え切った日、熱めのお風呂に浸かるのは気持ちがいいもの。しかし、注意したいのが温度差が引き起こすヒートショック。42°Cを超えるお湯に浸かると、交感神経の働きが活発になり、興奮状態となることで血圧が上昇。また、血液の粘度が上がるため、血栓ができやすくなるなどの危険性もあるそうです。早坂先生いわく、おすすめは40°C程度のぬるめの温度。副交感神経が刺激され、血圧が下がり、心身ともにリラックスさせる効果があるんだとか。また、40°Cの温度でも15分を越える入浴は要注意。体温が上がりすぎ、体内の熱を放出できず、冬でも浴室熱中症になる危険があるそう。ヒートショックと浴室熱中症は、最悪の場合死に至る危険性もあるため、冬場の入浴は特に注意するようにしましょう!

・NG!お風呂上りに冷えた水を一気飲み
常温のミネラル入りむぎ茶が理想的。
水分・ミネラルはこまめな補給を

ヒートショックや浴室熱中症の原因は、“かくれ脱水”。すなわち自覚症状がなく体重の1%相当の水分が体から失われ、脱水症の一歩手前の状態のことです。ここで大切なのが、こまめな水分・ミネラル補給ですが、ただの水はミネラルが含まれず、スポーツドリンクは飲みすぎると肥満や一過性糖尿病のリスクがあるといいます。早坂先生が推奨するミネラル入りのむぎ茶は、無糖でカロリーやカフェインもゼロのため毎日健康的に飲用できます。さらに血流改善効果や血圧低下作用などの効果が研究で報告されています。体を冷やさないため、飲み物は常温が◎。ミネラルは一気に補給しても血液内に吸収されたときにしか効果がないので、ミネラル入りむぎ茶は入浴前後にコップ1杯を目安に摂取しましょう。

・NG!ダイエットのためにお風呂で汗をかく
お風呂で汗をかいても
運動のように脂肪が燃焼するわけではない

熱いお風呂に浸かって汗をかくと、かなりのダイエット効果があると思いきや、この入浴法はあまり意味がないのだとか。早坂先生によると、運動は体を動かし脂肪を燃焼させ、結果として体温が上がり汗をかきます。しかしお風呂の場合は脂肪を燃焼させているわけではなく、お湯から熱を受け取って体温が上がり汗をかくので、運動の結果として出る汗とは仕組みが違うそう。つまりお風呂で汗をかいてもダイエット効果はあまりありません。お風呂は冷えの改善には効果的ですが、直接的なダイエット効果は期待できないと覚えておきましょう。

・NG!むくみや冷え解消のために半身浴
肩まで浸かる全身浴のほうが
体が温まりやく、むくみにも効果的

冷え性の人のほうが積極的に半身浴をしているようです。(出典:リンナイ「冷え性と入浴に関する意識を徹底調査」)

美意識の高い女性や冷え性で悩む人ほど続けている半身浴。心臓に負担がかからないというメリットの一方、“半身浴”の名前の通り、実は温める効果も半分!  早坂先生の話では、血流を良くして冷え性を改善するには、熱すぎない40°C程度のお風呂に肩まで浸かり、10〜15分入浴することが基本。全身浴のほうが体が温まり血流が良くなるので、冷えの改善に効果的なんです。また、お湯の量が多くて深ければ、その分下半身により大きい水圧がかかるため、足のむくみの解消などにも効果が。肩こりなどの痛みにも、半身浴より全身浴のほうがよいという研究結果も出ているそうです。(※医師から全身浴を禁じられている人を除く)

・NG!美肌には、お湯のきれいな一番風呂
入れたてのお風呂は特にミネラル分が
少なく、肌への刺激も強い

清潔なイメージのある入れたてのお風呂。しかし、日本の水道水は“軟水”で、一番風呂はミネラル分が少なく薄い状態。また、水道水には塩素が含まれているのに対し、人間の体には体液中にタンパク質やミネラルなどさまざまな成分が含まれています。早坂先生によると、体の内側と湯船のミネラル濃度の違いや含まれる塩素が、皮膚にぴりぴり感や違和感といった刺激をもたらすと考えられているとのこと。その刺激を和らげるには、人の皮膚に付着している不純物が溶け込んだ二番風呂以降が湯ざわりが柔らかくておすすめ。一番風呂に入る際は、入浴剤でミネラル分を加えたり、レモン果汁で塩素を中和させることが解決策だそうです。

・NG!お風呂の最後は冷水で毛穴を引き締め
せっかく温まった体が冷えるのでNG。
最後は必ず温水で!

お風呂上りに冷水をかけると血流が良くなり体がポカポカすると思っている人、これではせっかく温まった体が冷えてしまうので台無しです。確かに冷水をかけると毛穴は引き締まりますが、最後は温かいお湯をかけ、体を温めた状態でお風呂を上がることを早川先生は推奨しています。また、お風呂上がりに扇風機にあたることも、温熱効果が中断してしまうため良くないそう。冷えの改善には、ぬるま湯を使った“プチ温冷交代浴”がおすすめで、40°Cのお風呂に2〜3分浸かった後、シャワーで30°Cのぬるま湯を冷えの気になる手足へ1分かけます。これを3回繰り返すことで、血流が良くなるそう。最後はまた40°Cの湯船に入るのが正解。冷えに悩む人は、ぜひ試してみてください。

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間違った入浴法はいくつありましたか? お風呂は“冷え性対策の最強ツール”ですが、正しい使い方を知らない人も多いようです。正しく毎日湯船に入浴することで、血流は改善し、冷え性も軽減されます。睡眠90分前に、40°Cで10分の全身浴を基本に、まずは毎日お風呂に入ってみましょう!  正しい入浴法を実践すれば、より健康で快適な毎日が過ごせそうです。

取材したのはこちら

東京都市大学人間科学部教授、医師、博士(医学)、温泉療法専門医。お風呂を医学的に研究している第一人者。「世界一受けたい授業」「ホンマでっか!?TV」など多数のメディアに出演。 主な著書は『最高の入浴法 お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』(大和書房)、 『入浴検定 公式テキスト お風呂の「正しい入り方」』(日本入浴協会)など。

入浴科学者 早坂信哉先生