コロナ禍の今、家庭内の除菌も欠かせない作業ですが、アルコールの臭いが苦手、消毒のしすぎの手荒れやペットや小さな子供への影響が気になるという声も。そんな除菌のネガティブ要素を排除してくれると期待されているのが「MA-T」。どんな仕組みなのか取材してきました。
目次
普段はほぼ水なのに
菌がいると除菌作用がある⁉
第一の除菌アルコール、第二の除菌塩素系に加えた3番目の選択肢として登場したのがMA-T。MA-Tが配合された商品「MA-T Pure」は発売後、21年1月15日に楽天 総合リアルタイムランキングで1位を獲得、テレビでも話題になるなど、注目されています。MA-Tはどういうものか、その実態や効果について取材しました。
新型コロナウイルスに有効という実験結果も
MA-Tを利用した除菌剤は、アース製薬やマンダムから製品化されています。研究結果によれば、一般的な細菌に対しては、99.9%の除去効果が認められています。また、アルコールに弱いとされ、狂犬病などに見られるエンベローブ型も、99.99%除去するとの結果が出ているそう。新型コロナウイルスに関しては、奈良県立医科大学の研究検証によるとMA-Tが配合された商品を噴射して3分後にはウイルス検出限界まで感染価が減少したという結果が。
菌が近くにいるときだけ反応し
除菌するという画期的なMA-T
除菌が日常になり、さまざまな製品が流通するなか誕生した、第三の除菌と言われるMA-T。MA-Tとは、要時生成型亜塩素酸イオン水溶液のこと。大阪大学、エースネット、dotAquaが共同開発したもので、これは従来のアルコールや塩素系の除菌薬とは違い、必要なときだけ、必要なだけ殺菌成分(水性ラジカル)が活性化して除菌するというメカニズムです。
つまり、通常は水のような状態で、無臭で殺菌力もない液体ですが、噴射をして、その場所に菌がいた場合のみ、水溶液中の殺菌成分がその菌に反応をして殺菌をするということです。菌を除菌すると、殺菌成分(水性ラジカル)はいったん消えますが、他の菌が残っている場合や新たに菌が現れた場合にまた殺菌成分(水性ラジカル)が生まれる仕組みです。ひとつの水性ラジカルがウイルスとくっついてウイルスと共に消えると、その液体のなかに不活性のままいる仲間の水性ラジカルが活性化して、別のウイルスにくっつくというわけです。こういった仕組みは、他のアルコールや塩素系のものにはない仕組みなんです。
アルコール除菌剤や塩素系除菌剤と
異なる3つのポイント
メカニズムそのものが全く新しいMA-Tですが、従来のアルコール除菌剤や塩素系との違いは他にもあります。大きく分けて3つの点が優れています。
1.18時間たっても抗菌効果が
~MA-Tを配合したMA-T Pureは18時間後の抗菌効果が確認されているそう。そのため、防災用の除菌剤にも向く素材でもあります。ちなみに、多くの塩素系除菌剤は、酸化反応によりガスとなって蒸発するので時間の経過とともに、除菌効果も薄れてきます。
2.安全性が高い
~アルコール除菌剤は、濃度が高くなれば殺菌効果が高まりますが、その分、肌荒れの心配もあります。また、引火性もあるので取り扱いにも注意が必要。同じく従来の塩素系除菌剤も、除菌力が強く、ガスを発生させたり、呼吸器系への影響もあり人体への影響が心配です。しかし、MA-Tは、アルコール成分を含まず引火性もありません。また、食器や調理器具など口にふれるものや、赤ちゃんやペットのいる空間でも安心して使うことができます。
3.消臭効果が含まれる
~MA-Tは、非常に高い消臭効果があるのが特徴。これは、アルコール除菌剤や塩素系除菌剤にはない効果です。衣類、キッチンやゴミ箱などの生ごみ、トイレなど、家庭内のさまざまな臭いに効果的です。
医療機関や保育施設でも採用される
安全性と除菌力のバランスに注目
これまでのアルコール除菌剤や塩素系除菌剤は、除菌力を高くすると安全性が低くなり、安全性を高めると除菌力が弱くなるというように、なかなか安全性と除菌力が両立しませんでした。しかし、MA-Tはその2つを解決し、さらに消臭効果が一緒になった最強の除菌剤と言えるのです。
また、アルコールや塩素系のものと違い、塗装が剥がれたりする心配がないのも特徴のひとつ。おもちゃ、壁、革製品、金属など、どんなものにも使え、国内の航空会社では、飛行機の窓ガラスの除菌にも採用しているとか。また、ホテルや学内保育園、動物病院でも除菌・目的で使われています。
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除菌生活はまだまだしばらく続きそう。アルコール除菌や塩素系除菌の安全性や肌への負担が気になっていた方は、第三の除菌「MA-T」を選択肢に入れてみては?