そのまま食卓で様になる【陶芸作家のオーブン皿】が器好きにちょっとしたブーム

そのまま食卓に置ける耐熱皿は以前からありますが、味気ないものが多いですよね。最近、器好きな人たちが注目しているのが、作家さんの作ったオーブン皿です。かくいう私も、そんな器好きのひとり。今までに集めた自慢のお皿をご紹介します!

我が家のオーブン皿がこちら。いちばん奥の小さい白い器が余宮隆さん。時計回りに安藤雅信さん、安福由美子さん、宇田康介さん、大沼道行さんの作品です。

器好きの私は、食卓にありきたりなオーブン皿を置くのがちょっと不満でした。でも今は、作家物の耐熱皿を見つけて、素敵な器でおいしくいだたいています。

目次

いつもよりおいしそう。
ありきたりな耐熱皿より見栄えがする
作家ものはメリットもたくさん!

作家物は形も色も種類豊富。食卓をいっそう素敵にアレンジ
以前はガラスやホーローの耐熱容器のまま、お客さまに出すのは躊躇していましたが、どんなパーティにも出せるし、「え、これがオーブンに入れられるの?」と話題にもなります。

陶器の性格上長時間、熱々をキープ
作家物は陶器が多いのですが、土鍋と一緒で保温力に優れています。陶器は焼き締まりが弱く、つまり緻密性が低いので目に見えない小さな空気や隙間が内部にたくさんあり、それが熱を閉じ込めるそうです。そのため、驚くほどアツアツをキープできます。

普段はそのまま器として使ってもお洒落!
器として十分素敵な作家物はサラダにも煮物にも使えるし、活用頻度大です。

デメリットは少ないですが、焼き締りが弱く欠けやすいので取り扱いは丁寧に。また急速に冷やすとワレの原因になります。

私が愛用している
おすすめの
作家さんはこちら!

大沼道行さんの織部盛り鉢
丈夫なのに優しい表情。
深さがあるので重ねる料理に最適です

サイズ:直径20㎝×高さ6.5㎝(個人調べ)

岩手県で作陶されている、キャベツサンド「沼サン」で話題になった大沼道行さんの織部盛り鉢。「沼サン」は大沼さんが日頃朝ごはんに作っている山盛りキャベツのサンドイッチを奥さまの由樹さんが「沼サン」と名付けてインスタグラムに投稿したところ、そのフォルムの面白さでフォロワー数が激増、レシピ本になり話題になりました。ご紹介するのは、水道橋で作家物を取り扱う器屋「千鳥」での大沼さんの個展で見つけた1点物です。大沼さんの器はとにかく丈夫。雑に扱ってもワレもカケもしない。存在感があるのに、優しい表情がとても気に入っています。この器に盛ると煮物やサラダもぐっとおいしそうに見えるのですが、何より便利なのがオーブン料理。特に通常の耐熱容器より深さがあり、重ねていくラザニアやギリシャ料理のムサカに最適。こぼれ落ちてオーブンの中を汚すことなく、上手に焼きあがります。焼きあがったらそのままテーブルへ。家族、特に娘から毎回歓声が上がります。

 

宇田康介さんのグラタン皿
ひとり分ずつ出せるので
帰宅が遅い家族にも熱々を食べてもらえます

サイズ:直径12.5㎝×高さ5.5㎝(個人調べ)

家族それぞれに、作家物のシチューやグラタン皿がほしくて長年探していたところ、福岡の器屋「フラパニ」さんで取り扱っていらっしゃる信楽で作陶されている宇田さんのグラタン皿に出会いました。これ、ソーサーも付いていて、確か3000円代の親切価格。飴釉と黒の2種があり、我が家は3人家族なので飴釉二つ、黒ひとつを持ち帰りました。ひとり分ずつ作れるので、帰宅が遅い家族の分は準備だけしてキープ。帰宅後オーブンに入れれば、熱々を食べてもらえるので便利です。ソーサーはパン皿やケーキ皿、取り皿としても使え、ボウルは煮物や炊き込みごはんに使ったりと、我が家での登場回数も多いです。

 

 

安福由美子さんの錆丸菱形皿
「これオーブンに入れられるの?」と
来客が驚くお洒落な器

サイズ:幅27.5×奥行17.5×高さ3.8㎝(個人調べ)

アンティークのような風合いに菱形のお洒落なフォルムが、一見、耐熱皿に見えない逸品。出会いは、私好みの作品をたくさん取り扱っていらっしゃる佐賀の器ギャラリー「RITMUS」さんのインスタグラム。佐賀までは、なかなか行けないのですが、通販をされているので、よく購入させてもらっています。これは、深さがあるので、タレを多くかけるようなメイン料理や冷ややっこなんかにも便利。さびたようなカッコいい黒が思いのほか料理映えするので、カットした色とりどりの野菜を、そのままポンポンと器に入れて、オリーブ油・塩コショウだけでグリル。そのままテーブルに出しています。

 

安藤雅信さんの耐熱鍋パン
直火OK。炒めるから食卓まで
これひと
つでいけちゃう超時短パン

サイズ:直径23×全径33×高さ5㎝(個人調べ)

作家物の耐熱容器に慣れてきたら、そのまま直火で料理も全部できてしまうオーブン皿がほしくなり、見つけたのが安藤雅信さんの耐熱鍋パンです。安藤さんと言えば、陶芸界の巨匠的存在。岐阜県多治見に「ギャラリーももぐさ」を主宰されており、作品はそこで購入できます。この器の凄さは、その時短能力! 「面倒だなぁ」と思ってしまうかぼちゃのグラタンも、ひき肉を炒め、小麦粉をなじませ、牛乳を入れてさらにとろんとするまでなじませ、軽く茹でたかぼちゃんを入れ、シュレッドチーズをのせて、そのままオーブンへ。焼きあがったら、今度はそのままテーブルに・・・という工程をこれひとつでできてしまうんです。これがなかったら本気で困るくらい、時間がないときの私のお助けパンです。しかも、どーんとテーブルに出すと存在感大。もの凄く手が込んだ料理を食べている感があって、ありがたがられます。普段も目玉焼きやお肉を焼いたり、野菜を炒めたりと大活躍しています。

 

余宮隆さんの灰釉粉引鎬スープマグ
オーブン料理が特に映えてカッコいい!
私のいちばんのお気に入りです

サイズ:直径11㎝×高さ9.5㎝(個人調べ)

天草で作陶されている余宮隆さんは私がいちばん好きな作家さんのひとりです。とにかく料理が映える! ご本人も「器は料理を盛って完成する」というコンセプトで作られています。東京での個展は大抵伺い、器や料理についてあれこれお話して、学ばせていただいています。この灰釉粉引鎬スープマグは丁寧に鎬が施されていて本当にカッコいい! 粉引きなのでちょっとグレーがかっているのも素敵なんです。スープはもちろんのこと、おみそ汁まで入れていますが、いちばん便利に使えるのがオニオングラタンスープ。ひとり分ずつ作るオーブン料理に最適です。余宮さんの器には楽しいものがたくさんあり、私の食器棚でも持ち率No.1です。

 

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作家物の耐熱器が、見た目以上に便利で使いやすいということが伝わりましたでしょうか? 家族で食べるのがいっそう楽しくなりますよ。冬の食卓も気持ちも、温かく盛り上げる作家物を、皆さんもぜひ取り入れてみてください。