ジャガイモをゆでてマヨネーズで味をつけるだけなのに、家庭によって全く違うポテトサラダ! 料理がそこまで得意じゃない娘の代わりに、料理好きな方々にぜひ作ってほしい、母のレシピを伝える連載企画。 第2弾は夏と冬でバージョンが変わるポテトサラダです。

右は隠し味にヨーグルトを使い酸味が爽やかな夏バージョン。左の冬用はつぶしたジャガイモに粒マスタードを効かせて味の輪郭をはっきりさせたのがポイント!
子供も大人も大好きな“ポテトサラダ”は我が家の定番ホームパーティメニュー。食卓に並べると、「うちのはもっとなめらかでマッシュポテトっぽい」「ゆで卵入ってないの?」「へー。酸味が効いているんだ」とか、わいわいガヤガヤ盛り上がります。母の作るポテトサラダは夏と冬で、食感&味が変わります。具材は同じなのに、このふたつは全く異なるポテトサラダです。皆さんがご家庭で食べているものと比べてみるのも楽しいと思います!
◆ポテトサラダの基本材料◆
- 男爵イモ4個。キュウリ1本、ニンジン半分、ベーコン1パック、玉ねぎ1個。これは、夏も冬も同じ。
- ジャガイモがゆであがったら、すし酢、オリーブオイル、サラダスパイス、塩で下味をつけます。
ジャガイモのホクホク感と、とろけるような食味を生かすなら男爵イモがおすすめ。「ですが、家庭料理は残り物で作るものだから、ジャガイモの品種にはこだわらなくても大丈夫」(母 増野妙子・以下同)。写真の野菜は夏冬用両方を作った分量です。またゆでたジャガイモに下味をつける際、程よい甘味があって酸味が弱い『内堀醸造』の有機すし酢を隠し味に使うことで味がキュッとしまり、食材の持ちもよくなります。
下準備は玉ねぎのドレッシング和えと
ベーコンの湯通しからスタート

食物繊維、オリゴ糖が含まれていてダイエットに有効な玉ねぎは下味をつけて常備菜にしています。マイルドなすし酢で和えてあるので玉ねぎのツーンとした味も抜けて食べやすいです。
- 繊維に沿って1~2㎜幅に薄切りした玉ねぎはシャキシャキとした食感があって◎。
- 約20分水に放ちておくと辛味成分が流れ、匂いも軽減し食べやすくなります。調理する際水はよく絞って。
- すし酢大さじ1、オリーブオイル小さじ1、サラダスパイス小さじ1で味付けをし、なじませておきます。
玉ねぎのドレッシング和えと湯通ししたベーコンは多めに作って常備しておくと他の料理にも使えて便利!「玉ねぎはサラダはもちろん、魚のマリネにトッピングしたりいろいろな料理に使えます。ベーコンは、湯通ししたものを冷凍しておけば、ピザトーストや野菜の具材としても使えますよ」
目次
夏のポテトサラダ
ヨーグルトを隠し味にしたさっぱり味。
細切りにした野菜を和えた
シャキシャキとした食感です

【材料】ジャガイモを1㎝くらいの半月切りに、キュウリ&ニンジンは細切り。あらかじめドレッシング和えしておいた玉ねぎスライス、湯通し済みのベーコン、あればコーン。 ポイントは野菜の切り方! シャキシャキっとした食感は、冷やし中華の具材を食べているみたいで楽しいですよ。
- お湯に小さじ1の塩が溶けた頃合いでジャガイモを投入。竹串がスッと通ったらOK。
- キュウリは、斜めに薄切りしてから、少しずらして重ねて端から細く切っていきます。
- ニンジンは、玉ねぎのドレッシング和えをしたボウルを使って下味をつけてると◎。
ジャガイモがゆであがったら、すし酢、オリーブオイル、サラダスパイス、塩で下味をつけ、粗熱をとります。その間にニンジンにも下味をつけておきましょう。玉ねぎのドレッシング和えをしたボウルに、オリーブオイル&すし酢を小さじ1ずつ、サラダスパイス少量を追加し、水気をしっかり払ったニンジンを入れなじませておきます。「野菜それぞれに下味をつけておけば、うま味が増して最後に味がしっかり決まります!」
- マヨネーズ大さじ1、ヨーグルト大さじ2、マスタード小さじ2、オリーブオイル小さじ1、ホワイトペッパー&塩少々。
- 混ぜ合わせた調味料と野菜を合わせて完成。野菜それぞれに下味がついているので、追い調味料を足さなくても味は決まります。
すし酢とヨーグルトの酸味が効いたポテトサラダは、コールスロー感覚で食べています。友人からは「シャンパンや白ワインにも合う!」と好評です。隠し味のヨーグルトは、酸味も控えめでトロリ感も程よい小岩井プレーンヨーグルト生乳100%がおすすめ。「絶対この具材を入れなきゃダメ! というのはないので、この時期ならコーンの代わりにプチプチした食感の枝豆を入れるのもいいでしょう」
冬のポテトサラダ
固形を残して大きめにつぶした男爵に
粒マスタードとからしマヨネーズで
素材の甘さを引き立てて

【材料】ざっくりつぶしたジャガイモ、塩もみしたキュウリ、ゆでた後いちょう切りを半分にしたニンジン、湯通ししたベーコン、玉ねぎのドレッシング和え。ホクホクとしたジャガイモに時折アクセントになるシャキシャキとした野菜の食感が◎。
- 中くらいの男爵イモは8等分にカット。皮はそのままでOK。
- 小さじ1の塩を加えボイル。竹串がスッと通ったら◎。目安は13分。
- 丸切りにしたキュウリは塩もみをしてしんなりさせておく。
- ゆでたニンジンは粗熱をとり、いちょう切りの半分にして用意。
下味用の調味料を混ぜ合わせたボウルに、熱いうちに皮をむいたジャガイモを入れ、潰していきます。ポイントはジャガイモを潰し過ぎないこと。コロッとホクホクした部分と、マッシュの滑らかな部分が食べたとき口の中で混ざり合うくらいがいい。ゆでたニンジンと、塩もみしたキュウリが入っているので、シャキシャキとしつつもしっとりさがあります。食べた場所によって歯触りが違うのも楽しいですよ。
- からしマヨネーズ大さじ1、ハーフ大さじ1.5。粒マスタード小さじ1、黒こしょう少々。
- 合わせた調味料と具材を混ぜて完成。ピリッとした粒マスタードが野菜本来の甘さを引き立てます。
冬バージョンのポテトサラダは、ピリッとからしが効いているので大人向け。いろいろな粒マスタードで試したのですが、ツブツブ感と白ワインの酸味が効いているマイユ 種入りマスタードがおすすめ。母のノートにも書いてありましたが、お正月に残った数の子を入れたり、八宝菜やミートローフに使って余ったうずらの卵を用いたり……。いろいろな食材をトッピングしています。実はどんな具材をも受け止めるのがポテトサラダのいいとこ!
2種類のポテトサラダ完成!

左が細切りにした野菜のシャキシャキ感が特徴の夏バージョン、右が粒マスタードで野菜の甘味を引き立てた冬用のポテトサラダです!
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これは母お手製のレシピノートです。わかりやすいように、ポイントや具材の応用のアドバイスがイラストで描かれています。今回は、調味料の分量と、細切りにしたニンジンを多めに作ってキャロットラぺをつく置きしておくと便利! とのことでした。

レシピノートには、調味料の量、玉ねぎのドレッシング和えのレシピ、具材のアレンジがメモされていました!
デパ地下や居酒屋でポテトサラダを見つけると必ずオーダーをするほどポテサラ好きな私。でも味のキレや食感が「うん、これだ!」と思うものはなかなかありません。下味をつけたり、食感にこだわった切り方にしたり……。意外と下準備に手間がかかる一品なんだなぁと改めて母の作る工程を見ていて思いました。家庭ごとに好みのタイプがあると思いますが、我が家のポテトサラダも試していただけたら幸いです。
取材したのはこちら

主な活動は、食品メーカーとのレシピ開発や、レストランへのレシピ提供。小学生を対象にした家庭料理クラスや、地域センターにて男の料理教室などを開催。ストレスは料理で解消と、1日中キッチンに立っているのが苦じゃない!と話すほどの料理好き。