恵比寿や東中野にそうめん専門店ができたり、そうめん用の和えソースが発売されたりと、この夏そうめんブームがきています! ゆで時間も短く夏の時短料理に欠かせないそうめん。もっとおいしいく食べるためのアレンジレシピをそうめん研究家のソーメン二郎さんに伺いました。早速試してみてはいかがでしょう。
「キンキンに冷やした麺つゆにつけて、ツルツルっと喉のど越しよく食べる夏のそうめんって格別ですよね! そうめんの原料は小麦粉、水、塩、油のみ。シンプルだからこそ、いろんな食べ方にアレンジが利きます。だからこそ暑い時期だけではなく、寒い季節に具沢山の温麺にして食べるのもおすすめ。本当は通年そうめんをおいしく食べてほしくてそうめんの復権活動をしています」(そうめん研究家 ソーメン二郎さん・以下同)。改めて、そうめんをおいしく食べるコツを、ソーメン二郎さんに教えていただきました。
目次
食卓にそうめんの出番がもっと増えそうな
二郎さんおすすめアレンジレシピ
◆「そうめんふりかけ」◆
進化形そうめんを手軽に楽しめる
混ぜるだけの楽ちん和え麺
「パスタソースのように和えるだけでそうめんアレンジが簡単にできる『そうめんふりかけ』がこの夏ついに登場しました!」。① そうめんをゆでて、冷水でしめる②そうめんにソースをかけるの2ステップ。「ニンニクやめかぶなど、食材の風味や食感が楽しめるソースはそうめんとの相性もよく、そうめんの新たな可能性を感じさせてくれます」。今回はゆで卵や千切りキュウリ、小口ネギなどのトッピングを用意しましたが、なくても十分おいしくいただけます。ソースを和えるだけなので、夏の暑さでキッチンに立ちたくない!帰宅が遅くなって食事の準備が面倒というときに大活躍しそうです。
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◆「ゴーヤ入りそうめんチャンプルー」◆
油で炒めたそうめんは
コクが増して満腹感UP
肉や野菜と一緒に油で炒めれば、ボリュームとコクが増して、これひと皿でおなかいっぱいに。「同じ小麦を使った麺でもうどんよりも細いそうめんは、具材や調味料がよく絡み、麺に味がなじんでおいしくいただけます」。沖縄のソウルフード・ゴーヤチャンプルーとも好相性。「ゴーヤ入りそうめんチャンプルーは夏バテ予防にもおすすめです。具材アレンジバージョンとしては、ニラとツナ缶の組み合わせがおいしいですよ。ぜひ試してみてください」
【作り方】
①ゴーヤとニンジンは薄切り、ハムは食べやすい大きさに切る
②フライパンにサラダ油を熱し、溶いた卵を半熟に炒めて、一度器に取り出す
③そうめんは表示どおりにゆで、冷水でもみ洗いして水気をよくきる
④卵を炒めたフライパンにゴーヤとニンジン、ハムを入れて炒め、火が通ったら③のそうめんとAを加えてさらに炒める
⑤仕上げに2の卵を戻し入れて全体に絡めたら、ごま油を回し入れて完成
◆「そうめんかき揚げ」◆
サクサク&もちもち食感でお酒のつまみにも◎
残ったそうめんの再利用におすすめです!
ゆですぎて残ったそうめんの再利用にもなるそうめんかき揚げ。そうめんを天ぷらにすると表面はカリッと揚がり、中はもちもちの食感に。「我が家ではゆで残ったそうめんを使ってよく作る料理です。カリカリっとした食感がたまらなく、お酒にもよく合うんですよ」。軽快な歯ごたえのかき揚げは、カツオだしが利いた温かい麺つゆにつけて食べると、つゆの味がじんわり染みた上品な味わいに。
【作り方】
①タマネギとニンジンは薄切り、三つ葉は3㎝ほどの長さに切る
②表示どおりにゆでたそうめんは、冷水でもみ洗いして水気をよくきり、食べやすい長さに切っておく
③ボウルに①と②を入れ、薄力粉と片栗粉、塩を全体にまぶしたら、溶き卵を加えて混ぜる
④オーブンシートにのせて揚げ、形ができてきたらシートを取って上下を返し、2カ所ほど菜箸で穴をあけてさっくり揚げる
◆「そうめん入り豚汁」◆
豚汁の味がじんわり染みた
優しい味わいのそうめん
豚汁の鍋にそうめんをそのまま入れるだけ。下ゆでする必要がないので、手間なく気軽にそうめんが味わえます。「私の故郷である奈良の桜井をはじめ、関西では味噌汁や鍋料理の締めなどにそうめんを入れて楽しむ習慣があります。手延べそうめんを作るときに出る麺の余り、“ふし”を使うとより本場の味になりますが、関西以外で入手するのは難しいので、いつも使っているそうめんでぜひ試してみてくだい」。夏バテ気味のときなど、いつものみそ汁に加えれば1食の満足度も高まりますね。
※「そうめんふし」を試してみたい方は、
「坂利製麺所」おつゆの友(そうめんふし)
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【作り方】
①鍋で豚汁を温め、短く折ったそうめんをゆでずに加えて1、2分煮る
②器に盛り、小口切りにした青ネギを散らし、ゆずコショウを添える
濃いめの麺つゆと薬味をいろいろ用意して
小麦の風味をじかに楽しむのが基本!
小麦の味やそうめんのコシの強さ、のど越しのよさがダイレクトに味わえる究極の食べ方がつけそうめん。「つけそうめんは麺つゆと薬味のみで味付けがシンプルだから、“またそうめんか…”になりがちです。でも、濃いめの麺つゆを冷蔵庫でキンキンに冷やす、薬味の種類を増やして食卓に並べればおいしさも広がりますよ!」。またおいしいそうめんを食べるにはゆで方も大事。「麺をゆでる際、鍋に梅干し(はちみつなどの甘味が添加されていない塩分のみのもの)をひとつ入れると梅干しに含まれる酸の作用で麺にコシが出ます」
〈おまけ〉
そうめんをおいしくゆでるために
覚えておきたい3大NG行動
NG! ふきこぼれそうなときに水を足す
NG! 表示より短時間しかゆでない
NG! 氷水にひたしたまま食卓に出す
*(画像:『簡単! 極旨! そうめんレシピ』より)
・・・・・・・
夏の食卓はついつけそうめんになってしまいがちですが、工夫次第でさまざまな料理にアレンジが利くことが分かりましたね。我が家では余ったそうめんをお米の代わりにいなりに詰めこんだそうめんいなりが大好評! 一口サイズで食べやすいので、お弁当にもぴったりです。この取材を通してそうめんを夏だけ食べるなんてもったいない! オールシーズン、いろんな料理で食卓を彩りたいなぁ…と思いました。
■ソーメン二郎さんのレシピ本
『簡単! 極旨! そうめんレシピ』(扶桑社)
(撮影/石田純子)
取材したのはこちら
そうめん研究家。そうめん発祥の地と伝えられている奈良県桜井市出身。三輪素麺製麺所の家系に生まれ、全国各地のそうめんを食べ歩き、そうめん復権活動を行なっている。テレビやラジオなどのメディアに多数出演。『簡単!極旨!そうめんレシピ』(扶桑社)、『そうめんソータロー』(ポプラ社)