真夏日が続くと食欲が落ち、簡単にできるそうめんで済ませることも多くなります。めんつゆと薬味で食べるシンプルなそうめんは、見た目に涼を感じる器にこだわると食欲も湧きおいしく味わえます。定番のガラスの盛り鉢を替えるだけでも、そうめんをおいしく見せることができますよ。
我が家では、そうめんの盛り鉢にカレーなどを盛り付ける深さのある7寸の陶器鉢を使っています。薬味の器には染付の小鉢、めんつゆの器はガラスのちょこというのが定番です。器に色のあるものや、絵柄があるものを組み合わせることで、料理屋でいただくようなよそゆき感や、おもてなし感が出るからです。ご家庭でそうめんを食べるとき、見た目にも涼し気なガラスの盛り鉢にガラスのそばちょこというセットを使っていらっしゃる方も多いかと思いますが、ひと味違う雰囲気でそうめんを楽しみたいという場合は、そうめんを陶器鉢に替えてみてください。さらにこだわるなら、薬味やめんつゆなども素材の違う器を組み合わせるのがおすすめ。我が家で使っているものを紹介すると、
◆ 櫻井 薫作「灰釉水色7寸深鉢」◆
そうめんの白が映える
ニュアンスのあるグレーの器
そうめんを盛る器は、深さが5〜7㎝程度の陶器(土もの)で、そうめんの白が映える濃いめの色の浅鉢がおすすめです。この器は、うっすら青みがかったグレーをベースに茶色の斑点が浮かぶ釉薬で、土ものらしい個性があります。そうめんの白とのコントラストが涼しさを感じさせる器ですね。そうめんがおいしそうに盛り付けられる器選びのポイントは、ゆでるとき1人分が約100g、ちょうど握り拳ひとつ分くらいの分量と考えると、1人分を盛る場合には直径7寸くらい(21㎝)、2人分を盛る場合には直径8寸〜9寸(24〜27㎝)、それ以上の分量を盛る場合には、直径が1尺(30㎝)以上のものを選ぶと、器との余白のバランスがきれいに盛り付けられます。
◆ 清水なお子さん作「染付四方小鉢」◆
花をテーマにした絵がわりの小針を
シリーズ使いして薬味に特別感を出す
そうめんの薬味といえば、ショウガ、ミョウガ、大葉、ネギ、ゴマなどが定番ですが、それぞれの味が混ざらないように、3〜4寸(9〜12㎝)の小さめの器に盛り付けます。我が家では形が同じながらそれぞれに描かれている絵が違う染付の「絵がわり」の器を使っています。この絵がわりの小鉢には、花をテーマに、菊、梅、唐花文様が描かれているので、盛り付ける薬味の色合いや味わいをリンクさせたりするのも楽しいです。いろいろな形の小皿を並べると、盛り付けるときに食材が広がってしまい食卓がまとまりにくくなりますが、少し深さのある小鉢を選ぶと、すっきりして見えつつ、遊び心も出せるのでおすすめです。
◆ 沖澤康平さん作「Reグラスチョク」◆
表面に凹凸があるガラスのおちょこは
めんつゆが涼し気に映えて◎
めんつゆは、透き通った濃いおしょうゆの色もおいしさのひとつですから、透明感が映える器を選びました。そうめんと薬味に陶器と磁器を選んだので、ここは涼しさが演出できるガラスのちょこが◎。このちょこは、表面に凹凸があって、つゆを入れて光を通すと、キラキラとした影ができて、それが涼し気に見えます。ガラスは中の食材が透けて見えるので、器を手で持ち上げたとき中身の具材を見ながら、おいしく口に運ぶことができるところもポイントです。
◆ 増田 勉さん作「粉引片口」◆
柔らかな雰囲気の粉引の片口には
継ぎ足し用のつゆを入れておいしさの演出
先に陶器、磁器、ガラスという素材の器を登場させているので、漆器をもってくるという選択もありますが、土ならではの温かみのある白が特徴の粉引の片口を使っています。粉引とは、ベースの粘土の上に白化粧という泥をかけ、その上から釉薬をかけ焼いたもの。この片口の器は容量180ml程度で2回分のつゆを継ぎ足せるサイズです。粉引ならではの柔らかな白にめんつゆの色が映えますし、色や絵柄のある器が並ぶテーブルを落ち着かせる役目もありおすすめです。
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例えば、陶器、磁器、ガラス器を組み合わせる場合は、
・陶器~白ではなく、水色や緑色、茶色、黒といった色味のあるものを選ぶ
・磁器~染付や色絵といった華やかな絵柄のあるものを選ぶ
・ガラス器~無色またはうっすらと淡い色合いのものを選ぶ
というのがポイント。短調になりがちな、そうめんの並ぶテーブルに、リズム感と奥行きが出て華やかな演出ができますよ。
そうめんのような手間をかけない簡単料理も、素材、色、質感の違う器を組み合わせるだけで、テーブルが華やかに演出できスペシャル感が出せます。器の使い方ひとつで、贅沢な雰囲気を楽しむことができるので、この夏は、いつもとは違った器の組み合わせで、そうめんを楽しんでくださいね。
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