壁に穴をあけずに柱やバーを取り付けられる便利グッズの定番、突っ張り棒。目立たない場所で力を発揮する存在でしたが、今その機能を生かしつつインテリアの表舞台で活躍する新発想の突っ張り棒“ドローアライン”が大注目を集めています。掛けたりつるしたり、テーブルや照明が付いたり! インテリアの楽しさがどんどん広がる日本一カッコいい突っ張り棒とは?
目次
多くのリクエストに応えた
“見せたくなる”突っ張り棒
突っ張り棒というと、押し入れの中に作ったハンガー掛けや、お風呂場に作った物干し、トイレや洗面所に後付けした収納棚など、あまり人目に付かないところで力を発揮する便利グッズですよね。そんな生活感溢れる突っ張り棒の概念を一新したのが「ドローアライン」です。
手掛けたのは長年突っ張り棒を開発・販売してきた『平安伸銅工業』とクリエイティブユニットTENTです。
「これまでの突っ張り棒は、価格や機能が良くてもデザインが今ひとつで、目立つ場所に置けない、もっとカッコいいものが欲しいという声が多くありました。これまでにないヒット商品を作ろうとクリエイティブユニットTENTの協力を得て、2015年から開発が始まりました」(平安伸銅工業株式会社・広報 寺川紗希さん・以下同)。そして何度も打ち合わせを重ね、突っ張り棒そのものを再定義する“1本の線から始まる、新しい暮らし”というコンセプトが誕生しました。「空間に1本の線を描き、そこに照明やテーブルを付けて寝室に置いたり、フックを付けて帽子やコートを掛けて玄関に置いたり、使う人が自在に空間を彩ることができる、そんなコンセプトです」。
実際にドローアラインの使用例を見てみると、突っ張り棒でこんなことができるの!?とびっくりするものばかり。
突っ張り棒の機能性はそのままに
美しいデザインにこだわった商品開発
商品化までにはたくさんの苦労がありました。「従来の突っ張り棒の良さである機能性とデザインの両立がいちばんの難題でした。シンプルな1本の線に見えるようキャップやスリーブなどパーツひとつひとつの形状をすべて新しく開発し、素材についても耐荷重性能がありながら軽量でたわみにくいスチールパイプを採用。また塗装もどんなインテリアにもなじむように独特の質感を備えたマット塗装で仕上げています。固定方法なども回転させて突っ張るジャッキ式を採用し、女性でもしっかりと固定できるようにしました」。試行錯誤を重ね、最初のラインナップが発売されたのが2017年3月。これまでの突っ張り棒とは違い、暮らし方を提案する商品として生まれたドローアラインは、パリで開催されるインテリアとデザインの見本市「メゾン・エ・オブジェ」にも出展。人だかりができるほどの人気を博し、今ではヨーロッパでも販売されています。
こんなのが欲しかったと思える
40種類以上のパーツが揃っています!
現在、ドローアラインではメインの突っ張り棒となるTension Rodをはじめ、シェルフやテーブル、ハンガーなどを含めて21種類のパーツがラインナップされています。色展開やコラボ商品なども含めると44種類。どれも、こんなのあるといいなと思えるパーツばかり。「ここに棚があったらコップが置けて便利だな、植物をつるすためのフックが欲しいねなど、自分が使うとしたら?というところからアイデアが生まれています。“1本の線から始まる、新しい暮らし”というコンセプトを軸に、コアになる要素を突き詰めて商品化しました」。
他メーカーからのラブコールも多く、サンワカンパニーとコラボしたパーティションとシェルフや、ライフスタイルブランドBRIDとコラボした照明、さらにファブリックブランド「BasShu(バッシュ)」とコラボしたユーティリティネットなど、展開を広げています。
家具を買うスペースはないけれど、突っ張り棒でここまでできるならぜひともチャレンジしたい新しいアイデア。ドローアラインがあれば、自分らしく暮らせるインテリアを手作りすることも夢じゃないかも知れません!
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取材したのはこちら
今回、取材したのはドローアラインを開発した1952年創業の平安伸銅工業株式会社。3代目社長の竹内香予子さんは、整理収納アドバイザーでつっぱり棒博士でもあります。昨年末、書籍『家中スッキリ片づく!「つっぱり棒」の便利ワザ』を刊行。突っ張り棒のさまざまな使い方が紹介されているのでこちらもチェックを!