新築と中古マンションの差、約3000万円の生かし方【リノベーションセミナーで気づいたこと】

お金が自由に使えるなら、もちろん新築がいいに決まってますが、限られた予算を有効に使うとなると、迷うのが新築と中古、どちらのマンションを選ぶか。中古物件のリノベーションが話題となっていますが、それを選ぶことで何が手に入るのか、人気のセミナーを取材させていただいて、気づいたことをレポートします。

築60年の木造倉庫をリノベーションしたというセミナー会場は、まるでお洒落なカフェのよう。この日、お話をされていたのは、佐藤剛さんです。ローンに不安がある方、リノベーションが気になるけど何をすべきか分からない方など参加者はさまざま。

取材したのは、中古マンションリノベーション事業「ゼロリノベ」の無料セミナー。毎週土日の開催ですが、すぐに満席になってしまうほど人気です。家を買うことは、一生に一度あるかないかで、ほとんどの場合が初心者。その初心者が、ある程度、事業者の人たちが話していることを理解できるレベルまで学べるところが人気の理由のようです。

目次

首都圏の新築マンション価格は上昇傾向。
中古(築21~25年)との価格差は
3000万円ほどあります!

資料提供/ゼロリノベ

家を買う場合、「戸建てorマンション」、「新築or中古」などいろいろな選択肢があります。昔は“新築戸建て”にこだわる人も多かったようですが、今は新築かどうかよりも、自分好みの間取りや内装なのかに価値を置く人が増えているんだとか。「新築戸建てで自由設計となると価格は大幅にアップします。新築マンションはある程度決まった間取りや内装になるので、好み通りというのは難しいでしょう。そして首都圏の新築マンションは、緩やかではありますがいまだ価格は上昇傾向。70㎡で5000万円を超えています」(ゼロリノベ 佐藤 剛さん・以下同)。東京在住者の平均生涯賃金、生活費、教育費、老後資金などを考え計算してみると、実は住宅購入に使えるお金は平均3700万円程度。さらに金利1.5%で35年ローンを組んだ場合を考えると2900万円くらいまでの住宅しか買えないことになります。「あくまで計算上ですが、5000万円を超える住宅を購入すれば、ゆとりのある生活は難しいかもしれません。それに比べて、中古マンションであれば2000万円台でも購入可能。なんと3000万円ちかくも違ってくるのです!」

中古を選んで浮いた3000万円で
豊かな生活を送るという発想

このお宅の方がリノベーション物件を選んだ最大の理由は“予算”。お子さんたちのことも考え、もともと住まわれていたエリアで家を探そうと考えたとき、予算の範囲内で理想の物件を新築で見つけるのは難しいと分かり、中古でリノベーションをすることを選択。画像提供/ゼロリノベ

3000万円あったら、いったい何がどのくらいできるでしょうか?  例えば旅行で考えてみたら、30年間は毎年家族で思う存分ハワイ旅行を楽しめるでしょう。でも“中古か~”と気分がのらない人もいるはずです。そこでリノベーション! 「安く中古マンションを買い、間取りはもちろんのこと、スイッチやドアノブ、コンセントの位置まで決めた予算内で好きなようにカスタマイズできるのがリノベーションのメリットです」。自分の好みがつまった家に住み、残った予算で友人家族との食事、旅行、習い事への自己投資などにお金を使ったほうが、トータル的には豊かで幸せな人生といえるのではないかという考え方も、確かに納得できます。

中古物件を選ぶことで手に入るのは
こんなメリット!

メリット①
間取りや内装を好みにリノベーションできる
リノベーションではコンクリートの箱に一度戻します。壁も配管も天井もとってしまうので、理想の間取りや内装にお金をかけることができます。家の中どこにいてもお気に入りの空間で生活できるのは、楽しさの質が全然違います。

メリット②
想定外の出費にも、対応に余裕が持ちやすい
子供がいると、習い事やその時々の進路によって教育資金は大幅にアップ。中古物件を選んで無理なく組んだローンならそんなときでも慌てることなく、旅行などの楽しい家族のイベントは決行できます! 今しかできないことを思う存分楽しめるんです。

メリット③
夢の棲家を建てるための資金に回す
“今は通勤・通学の利便性を最優先した家に住んでいるけど、将来はロケーション重視の戸建てに住みたい”なんて夢がある人は、夢をかなえるために資金に回すことも可能。これからの計画を立てるのも楽しく素敵な時間です。

中古物件のリノベーションで
成功事例を紹介!

東京都目黒区にお住まいのNさん。以前のお宅はご主人の会社から少し離れていて、仕事が忙しいと帰ってこられない日もあったとか。しかしお子さんが生まれて家族一緒の時間を持つために、中古マンションを購入しリノベーション。画像提供/ゼロリノベ

「中古マンションを購入して、豊かな生活を手に入れる」ということの、具体的な例も紹介していただきました。目黒区在住のNさんの場合、ご主人の会社に近いというのが絶対条件だったため、新築マンションを予算内で探すことは難しかったそう。そこで中古マンションを購入してリノベーションすることを選択。お子さんが動き回れるような広々とした空間、キッチンを中心とした家事が苦痛にならない空間を作られました。「家族と話しながら自然にキッチンに立てるのでとても快適」と奥さまも大満足しているそうです。どこかにしわ寄せすることもなく、思い描いている生活を手に入れたいなら、リノベーションというのはなかなかに良い手段だと感じました。

どんな生活をしたいのかを思い浮かべて
家を考える人が増えている?

画像提供/ゼロリノベ

我が家は15年前に新築マンションを購入しました。購入当時は“いつか住み替えするかもしれない”とあまり深く考えていなかったから、子供が大きくなった今は間取りも不便だし、あちこち修理したいところがあっても資金的に厳しいのが正直なところ。あの頃「リノベーション」なんていう考えはメジャーではなかったけれど、もし今私が選ぶなら、可変性のある間取りにできて、資金の余裕も作れる中古マンション&リノベにしていたかもしれません。多くの方が参加するセミナーを見ていると、今は家を買って満足するのではなくて、そこでどんな生活をしたいのか、逆に、こんな生活をするためにはどんな家がどの場所にあるといいのか、そういう具体的なことをきちんとイメージして家を考える人が増えてきたということだと思います。また、こうしたセミナーに参加することによって、家を買う意味がより明確になってくるのも事実。昔はこんなセミナーなんてなかったしな~と、これから家を買う人たちが、ちょっとうらやましく感じました(笑)。

取材したのはこちら

家探しから、設計、リノベーションまで、すべてのことがここで相談できるのが魅力のリノベーション会社。この1年を代表するリノベーション作品を全国から選出する、リノベーション協議会主催「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2018」の1000万円以上部門で、『家具美術館な家』が最優秀賞を受賞。

株式会社グルーブエージェント 中古マンションリノベーション事業「ゼロリノベ」

https://www.zerorenovation.com/