免疫力にも影響が⁉ 日本人は「タンパク質」が足りていないって本当?

現代の日本人は栄養失調気味で、カロリーは十分でも実は栄養素が足りていない人が多いそう。なかでもCMでも耳にすることが増えた「タンパク質不足」が顕著らしいのです。だとしたら大問題⁉ そのあたりの事情を調べてみました。

食料に困らない現代ではにわかに信じ難いですが、日本人のタンパク質摂取量が減ってきているんです。最近こんなことはありませんか?

☑︎ 集中力がなく、忘れっぽい
☑︎ 肌や髪のハリとツヤがなくなってきた
☑︎ 運動をしても筋肉がつかない
☑︎ 貧血気味

これらのことが思い当たったら、タンパク質が足りていないかもしれません。

低下傾向にある
日本人のタンパク質摂取量

1993年から2018年までの日本人の1日のタンパク質摂取量をグラフにしたものですが、27年間で徐々に摂取量が減っていることが分かります。2018年の平均摂取量は70.4gでした。ちなみに、最近で最も低い2009年頃の数値は、1950年代レベル。当時の食糧事情を考えると、現代のタンパク質摂取量の少なさが際立ちます。数字だけだと、この量が足りてるのか足りてないのかいまいちピンときませんよね。続いてこの表を見てください。

目標基準に達していないのが現状

参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」

人間の活動レベル別に、タンパク質の目標摂取量を記したものです。2018年の平均摂取量は70.4gとありますが、標準的な活動レベル(上記表のⅡに相当)の30〜49歳の男性で88〜135g、女性でも67〜103gが摂取の目安になります。これらの情報から見ても、現代の日本人はタンパク質が足りていないことが分かります。

タンパク質は生命活動を司る
根本的な栄養素。不足すると
さまざまな面に影響が出てきます

タンパク質が足りてないことは分かりましたが、そもそもタンパク質にはどんな役割があるのかというと、

  • 筋肉、臓器、血液、皮膚、爪、髪などの主成分となる
  • 体内にある酵素の材料となる
  • 神経伝達物質のもととなる材料
  • さまざまホルモンの材料
  • 免疫抗体の材料として体を守る

これらがタンパク質の主な役割です。「タンパク質は体を形成する根本材料です。さらに消化酵素など、生命活動に必要な酵素やホルモンの材料になっていたり、神経伝達物質のもとにもなっているので、人間に不可欠な栄養素と言えます。そのため、タンパク質が不足していると、筋力低下や、集中力低下、髪や肌のハリツヤ損失などが顕著に現われます。貧血や冷え、むくみで悩んでいるなら、タンパク質不足を疑ってみてもいいかもしれません。タンパク質は、人間の生命をつかさどる根本的な栄養素なので、それが足りなくなると、免疫力にも大きな影響を与えます」(DSクリニック 管理栄養士・山口さん 以下同)

今、効率よくタンパク質を摂取するなら
値段もリーズナブルになっている牛肉、
なかでも「赤身肉」がおすすめ

タンパク質を摂取しようと思ったときに、思い浮かぶのは肉類や卵、大豆などです。「人間の体では合成されず、必ず食物から補給しなければならない9種類のアミノ酸のことを“必須アミノ酸”と言います。必須アミノ酸にはそれぞれ体を作る働きがあり、不足すると健康な体の維持が難しくなります。必須アミノ酸の含有比率を評価したものをアミノ酸スコアといいます。アミノ酸スコアが100の食品は良質なタンパク質と呼ばれ、牛肉や鶏肉、豚肉、卵、大豆、アジ、サバなどがあります。また、タンパク質には植物性と動物性がありますが、動物性のほうが体内で吸収されやすく、効率よく摂取可能。そんな動物性タンパク質のなかでもおすすめなのが、現在価格が下がっていてスーパーで手軽に手に入り調理も簡単な牛肉です。ウイルスをブロックする粘膜のもととなるタンパク質の含有率が高いので免疫力アップのサポートにもなります。さらに、新陳代謝を促す亜鉛や、貧血を予防してくれ、体内に吸収されやすいヘム鉄、三代栄養素の代謝を促すビタミンB群などの栄養素が豊富なので積極的に食事にとりいれたい食材です。ただし注意していただきたいのが、サーロインやロースといった高脂質な部位ばかりを食べていると肥満につながるということ。低脂質なももやヒレなどの赤身肉を中心に食べるといいでしょう」

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近頃は高齢者も粗食ではなく、積極的に肉を摂取するようにと言われるほど、タンパク質が健康維持に重要と考えられています。ウイルスやその他の外的要因に負けない強い体を作るためにもしっかりと良質なタンパク質をとっていきたいですね。

取材したのはこちら

広島女学院大学生活科学部管理栄養学科卒業。ダイエット専門院・渋谷DSクリニックで栄養指導を担当する管理栄養士。生活習慣に合わせた的確な食事の指導には定評がある。レシピの考案、料理教室なども開催している。

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渋谷DSクリニック 管理栄養士 石川友紀子さん

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