風邪をひいたとき、海外では何を食べる?(台湾編)

年間を通して穏やかな気候が続く台湾ですが、日本と同様風邪やインフルエンザは流行します。風邪にかかってしまったとき、台湾の人たちは何を口にしているのか、先日台北に帰省した際にリサーチしたところ、ドリンク天国の台湾らしくジュースやお茶を飲み分けて風邪対策をしていることが分かりました!

台湾といえば、漢方薬や薬膳が最初に思いつく人も多いと思うのですが、老若男女問わず、日常的に取り入れられているのが薬草やフルーツを使ったドリンク。台北最古のお寺、龍山寺付近には薬草街と呼ばれるエリアがあり、ものすごい数の薬草が売られているんです。台湾の人々は街中のクリニック感覚で薬草を買い、煮出して飲んでいるのだとか。だから風邪をひいたときも病院に行く前にまずは薬草街で相談!というほど台湾の人々の生活に根付いているんです。数多あるドリンクのなかで、風邪のときに飲むドリンクを教えてもらいました。

目次

のど風邪のときには炎症を抑える
「スターフルーツジュース」を飲む

ジュースを扱う露店や専門店で購入するのが台湾流。街のあちこちに簡易ジューススタンドがあります。

風邪気味で、特にのどが痛むときに飲むのが「楊桃汁(ヤンタオツー)」。楊桃とは沖縄や台湾をはじめとした熱帯アジアや東南アジアで栽培されている別名スターフルーツのこと。これを砂糖と塩で漬け込んで作ったジュースです。日本でも風邪をひいたら冷たいものは避けたほうがいいとされていますが、それは南国台湾でも同じ。なのでジュースですが、冷やさずにお湯で薄めて飲むのが一般的です。甘じょっぱい不思議な味は好みが分かれるところではありますが、のどの炎症は落ち着く気がします。ただし、スターフルーツは高濃度の硝酸を含むため、腎機能不全の方は避けたほうがいいです。

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おなかの調子が悪いときは
腸を整えてくれる「ごぼう茶」を飲む

おなかの調子が悪いときにはごぼう茶を飲むのが台湾流。ごぼうは便秘解消に良いとされているだけあり、腸の動きを整えてくれることからおなかの調子がイマイチ…というときはごぼう茶という習慣がついているようです。また、水溶性食物繊維は免疫力を高めるとも言われているので、ごぼう茶は風邪予防のドリンクとしても知られています。

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熱っぽいときは体の火照りを冷ます
「仙草蜜」を飲む

台湾語で蜜=ゼリーなので、仙草蜜とは仙草のゼリーという意味。シソの仲間に分類される仙草は、熱を冷ます効果があり、熱風邪の際には解熱剤代わりにお茶やゼリーにしていただきます。シソの仲間だけあり、見た目はコーヒーゼリーのように真っ黒なのですが、すーっとハッカのような清涼感があり、喉越しもよく、食欲がなくてもするっと口にできるので、熱風邪のときに重宝します。ちなみに暑さ厳しい台湾で仙草ゼリーは、熱冷まし食としてかき氷に並ぶ定番デザートです。写真のように細かい仙草ゼリーが入ったドリンクタイプもあります。

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体調が悪い!と思ったら真っ先に飲むのが
台湾一のポピュラードリンク「苦茶」

栄養ドリンク代わりに日常的に飲まれているのが苦茶。文字通り、かなりの苦さ。でも、逆にこの味こそ台湾と最近は思えるように。

苦茶とは、複数の薬草をブレンドして煮出されたお茶のこと。台湾にはさまざまな薬草茶の専門店がありますが、苦茶に関しては、その店独自のブレンドがあるのが特徴です。体の火照りを沈め、熱冷ましの効果がある仙草や青草がブレンドされていることが多いので、とてつもなく苦いのですが、後味は案外さっぱりしています。ちなみに苦茶は風邪をひいたときだけでなく、健康管理の一環で毎日飲む人が多いドリンクでもあります。

苦味や臭いが苦手な人は
錠剤タイプをサプリ代わりにのんでます

台北で有名は苦茶専門店、苦茶之家(Ku Tea House)の錠剤。なんと36種類のもの薬草や漢方が使われているそう。

身近に薬草があり、常日頃口にする文化のある台湾の人でも、苦茶が嫌いな人ももちろんいます。そんな人は、薬草成分を薬丸=錠剤にしたものを飲みます。薬草茶やドリンクと同じ成分を取り込めて、苦味を感じずに済むので今どきの若者たちはサプリ代わりに飲むのだとか。ちなみに日本人観光客にもお土産として大人気のようです。お茶のように煮出したりする手間もないので手軽に飲めていいですよね。

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私たちが目的別にサプリメントを飲み分けるように、台湾の人たちは症状に合わせて薬草ドリンクを飲み分けていました。風邪をひいたり体調が悪いときは食欲も落ちるもの。そんなときは台湾式の飲み物治療で風邪を治してみては?