夏は睡眠環境を整えることが難しい時期。さまざまな理由で体調を崩しがちですが、そのなかでも多いのが睡眠に関する悩みやトラブル。快眠セラピスト三橋美穂さん監修の下、解消法と手軽に購入できる役立ちアイテムを紹介します。睡眠時のストレスは起きている時間にも影響するので、しっかり対処して元気に夏を過ごしましょう。
関東甲信越では、“早すぎる梅雨明け”となった2018年夏! 楽しい季節の訪れとともに気になるのが、夜ごと悩まされる熱帯夜の寝苦しさ…。快眠セラピスト・三橋美穂さんによると、温度&湿度の両方が高いことが、夏の寝苦しさの原因なんだとか。「汗が蒸発しにくく、体温が下がらない。そのため、途中で目が覚めたり、寝付きが悪い、という寝不足が起こります。良質な睡眠を得るためには、布団の中を快適な温度と湿度に保つことが重要。その温湿度は年間を通して同じで、温度は約33℃、湿度は50%前後が望ましいとされています。それが維持できないのでいろいろな悩みが出てくるのです」(快眠セラピスト・三橋さん 以下同)。なかでも多くの人が経験する睡眠の悩みは、①朝起きると体がだるく重い、②エアコンが苦手で熱中症気味、③ベッドに入ってもなかなか寝付けない、この3点だとか。快眠セラピスト三橋さんに上記悩みの解決策を伺いつつAmazonなどで簡単に購入できる快眠グッズをご紹介していきたいと思います!
目次
【お悩み1】
朝起きるとだるいのは寝冷えが原因
睡眠時間は十分確保したのに、なんだか体がだるいし重い…。そんな経験はありませんか? その原因は寝冷えにあります。「睡眠中に暑くてタオルケットをはいでしまい、そのまま体を覆うものがない状態で朝まで寝ていると、体温が下がり、それが寝冷えにつながります。また、明け方に足がつってしまうという人も寝冷えが原因かもしれません。水分不足と冷えが重なると足がつりやすいとされています。短パンで寝ている方は、レッグウォーマーを着用するなど、ふくらはぎを冷やさない対策をとることが大切です」
〈お助けグッズはこれ!〉
寝冷えを防ぐ、『パジャマ工房』の
ふわふわ2重ガーゼパジャマ
冒頭にも説明したように、寝間着は肌の露出が少ないほうが、睡眠環境を整えやすいと言います。「パジャマは締め付けがなくゆったりしたものを選びましょう。夏場なら、吸湿性のよいガーゼ素材や、ツルンとした肌触りが心地よいサテン地が◎。ちなみに私の就寝スタイルは、長袖長ズボンのパジャマに、ハラマキ、レッグウォーマー。冷え性なこともありますが、このスタイルにしてから風邪をひくことはなくなりました」
【お悩み2】
就寝中の熱中症は、体温調節の失敗が原因
この時期注意したいのが、寝ている間の熱中症。冷風が苦手という理由でエアコンをつけないで寝る女性の方は要注意です。「マンションに住んでいると、昼間の熱が壁に蓄熱され、夜帰宅すると外気より部屋のほうが暑いことが多々あります。室温は常に28℃以下、湿度は50~60%程度に保つことが理想。体は産熱と放熱のバランスをとっています。産熱とは体が熱を作る働き。放熱は体の外に熱を逃がす働きをいいます。その放熱がうまくいかずに起こるのが熱中症です。睡眠時も涼感や除湿効果のある夏用寝具に変えるなどして、体温調節をしていくのが大事」
〈お助けグッズはこれ!〉
体の蒸れを防ぐ、『アイリスオーヤマ』の
エアリー敷きパッド
接触したときにひんやり気持ちいい“冷感生地のパッド”は、寝苦しい夏を乗り切るおすすめアイテムです。「繊維に熱伝導性がある接触冷感寝具なら、体温でパッドが温まっても繊維が熱を逃がし、涼しい状態で眠ることができます」。ここで気をつけたいのは寝室温度。できるだけエアコンを使いたくない理由から冷感寝具で暑さをしのごうと思っていても、「冷感寝具は室温に影響されるものなので、暑い部屋で使っても効果は半減。むしろ熱がこもってしまい寝苦しさを感じる場合も。エアコンとの併用が正しい使い方です」と三橋さん。さらに熱をしっかり逃がしてくれる、高通気質構造のマットを選ぶと熱中症予防にも効果的です。
〈お助けグッズはこれ!〉
頭に熱がこもらない
『マリオット』の蕎麦殻枕
自分の頭の形に合った枕を選ぶのはもちろんですが、熱がこもらないよう、内部の素材を夏仕様に変えてみましょう。「夏は通気性のよいパイプやそば殻がおすすめです。特にそばの実の殻を乾燥させたそば殻は、断熱材の効果もあって夏にぴったり。余分な熱を逃がし、汗などの水分を吸収してくれます。頭に密着する素材だと暑さを感じやすいので、羽毛などのやわらかい素材は避けたほうが無難です」
〈お助けグッズはこれ!〉
背中蒸れを軽減する、横向き寝をサポート! 『イケヒコ』の冷感抱きまくらで解決
夏の寝苦しさのいちばんの原因は、背中の熱がパッドにこもり蒸れてしまうこと。なので、横向きに寝るのも一案です。そうすることで、背中に熱がこもらず、朝まで快適に眠れます。「横向きに慣れていない人には、“抱き枕”をおすすめしています。抱き枕を使えば、自然に横向きになるから背中に熱がこもらず快適。また脚にも空間ができるので、暑さによる寝苦しさも軽減できます」。抱き枕は、人恋しさを紛らわすだけではないんですよ(笑)。
【お悩み3】
脳が活性したままだと寝付けない
夏は暑くて寝苦しいのもあり、あれこれ余計なことを考えてしまい、負の睡眠スパイラルに陥ってしまうこともしばしば。「寝る前に考え事をしてしまうと、脳が活性化されたままなので、眠りにつくまでに時間がかかったり、浅くなってしまうことも。冷却枕などで、脳の温度を下げるのもひとつの手です。思考も鎮まり、寝やすくなりますよ」また、寝る間際までSNSを見たりネットサーフィンをしないよう携帯を寝室に持ち込まないなどのルールを決めるのも◎。頭と心を静めて、上質な睡眠を手に入れましょう!
〈お助けグッズはこれ!〉
脳は鎮めて、首の保温でリラックス。
『KEES PLANNING』の冷却枕と
『桐灰』のあずきの力をミックス使い
まずは、クールマットや保冷剤で後頭部の上部のみを冷やしていきましょう。同時に首の後ろをじんわり温めて。副交感神経という、リラックスを促す神経が集中している首を温めることで、寝付きのよさがアップ。「温冷の相乗効果が、心地よい眠りへと誘ってくれます。口で説明しても、皆さん“???”となる方が多いのですが、実際にやってみると“すごい! 気持ちいい!”と盛り上がります(笑)。心地よさは、冬に露天風呂へ入っているようなイメージです(笑)」。
夏の寝苦しさには
部屋の温湿度、寝具、衣類で対処
良質な睡眠を得るためには、温度と湿度のコントロールが重要だということがわかりましたね。布団の中は約33℃、湿度は50%前後がベストのようです。今回紹介した寝具や着るもので温度や湿度を調整し、快適な睡眠環境を手に入れましょう。寝苦しい夏の睡眠負債はこの6つのアイテムでさよならできるはず!
監修
寝具メーカーにて、商品開発や枕アドバイザーの育成、マーケティング、広報などを経験後、研究開発部長を経て2003年に独立。心の環境、体の環境、睡眠の環境を整えることが、快眠の3つの柱と考え、講演や執筆などを通して、眠りの大切さや寝具の選び方などを提案。著書のほか、テレビや雑誌への出演も多数。