北欧インテリアの家に似合う「凛としたキッチン」のこだわり

大の北欧インテリア好きで、ヴィンテージ家具が似合うこだわりの家を建てるなら、キッチンもそれに似合う佇まいがほしいですよね。タイル、天井、カップボードなど、奥さま自ら探してきて完成させた、これぞ北欧スタイル好きのためのキッチンと言える、素敵なお手本を紹介します。

2017年9月に4LDKの一戸建てを完成させた@casa_omameさんご夫妻。大好きな北欧ヴィンテージの家具が似合う家を目指して、自らチークやウォルナット材を見つけてきた奮闘ぶりは、以前にも記事で紹介しています。今回は、奥さまがいちばん気に入っているキッチンを紹介。「1日で長い時間を過ごすキッチンは、使い勝手はもちろん、できるだけきれいな状態が保てることと、居心地のよさを重視しました。私の夢やこだわりが詰まったキッチンにあるものは、ほとんどが自分で探して見つけてきたものなんですよ!」(@casa_omameさん・以下同)

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目次

細部まで施主支給にしたキッチンには
奥さまのこだわりが満載

チーク材を基調としたぬくもりのある北欧風の家に、モダンな雰囲気で佇むすっきりとしたキッチン。設備やパーツはハウスメーカーのカタログにはないものを自ら探して購入し、取り付けてもらったというこだわりぶりです。「システムキッチンはサンワカンパニーのグラッド45。デザインはもちろん、清潔面や掃除のしやすさを考えてオールステンレスを選びました」。天板はバイブレーション仕様なので、傷が目立ちにくく掃除や手入れも楽ちん。常に心地よく過ごせるよう、キッチンはこまめに片付けてリセットするのが日課だそう。

キッチンの広さは3.5畳(約6.4)、パントリー含めると5.2畳(約9.5㎡)、ダイニング含めると8.2畳(約15㎡)。システムキッチン以外にも奥さまのこだわりが随所に見られます。「ステンレスのキッチンが北欧スタイルの空間になじむよう壁にタイルを施したのもポイントです。タイルは、名古屋モザイクのショールームで実物を見てから何度もシュミレーションし、渋可愛いと夫婦で選んだパヴォーネのPVO-09。天井のチーク材との相性もよく、ステンレスの無機質さを和らげてくれるので配置して良かったです。火力を重視したハーマンのガスコンロ、プラス・ドゥは、専用のダッチオーブンがついているのが魅力ですね」。施主支給は思っていたよりもコストがかかったそうですが、奥さまの理想どおりの空間が実現できました。

「背面の壁一面に設置したウォールナット材のカップボードもサンワカンパニーのもので、無印良品とのコラボ商品。いくつかの組み合わせを選んでサイズオーダーしました。IOCフローリングで購入したチーク材の木張り天井とフローリングにうまく調和してくれてとても気に入っています」。キッチン背面からダイニングまで続くカップボードはサンワカンパニーのコントルノというモデル。木張りの下がり天井はIOCフローリングにて購入したチーク材のプラフォンセパレ。

絶対に欲しかったパントリーは
棚を夫婦でDIYして予算をカット

使い勝手がいいようにキッチンの奥に設定したパントリー。自ら取り付けた稼働棚は、正面と左右の壁にコの字に設置したことで収納力アップ。扉は『神谷コーポレーション』のフルハイドドアの引き戸。キッチンを設計するうえで料理好きな奥さまが絶対に欠かせなかったというのが、調味料や乾物、調理器具が収納できるパントリー。収納棚はご夫婦でDIYし、施主支給にあてたコストを大幅に削減。「予算を抑える関係上、採寸から自分たちで行い、パーツはネットなどで購入して取り付けました。夫婦で深夜まで作業したのも今となってはいい思い出です(笑)。ダボレールで高さを調整できるようにしたので、パントリーの整理整頓がしやすく大成功です」

料理を並べるのも片付けも楽なように
キッチンとダイニングは一直線

ダイニングテーブルの上には、さりげなく『ルイスポールセン』のPH3/2があるあたりはさすが北欧デザイン好き。ダイニングテーブルは『ポール・M・ヴォルター』。チェアは『ハンス・J・ウェグナー』のCH23と、『カイ・クリスチャンセン』のNo.42を愛用し、全て1960年代のヴィンテージ。

キッチンからテーブルが並ぶダイニングまで、スムーズな動線を確保したのも、料理好きな奥さまならではの発想。「キッチンとダイニングをつなぐ通路は、一直線になるよう設計しました。できあがった料理をすぐに出せますし、食後の片付けも楽なんです。背面から効率よく物が取り出せるよう、適度な広さに設定したのもキッチンのこだわりのひとつ。最初は広ければ広いほどいいと思っていましたが、使い勝手を考えると、楽にすれ違える程度の広さで十分でした」。ダイニングからキッチン、パントリー内まで床や天井の木材をつなげて設置。そうすることでより視覚的に広々として見えます。

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具体的な理想のイメージを持ち、積極的に施主支給を行ってつくり上げた@casa_omameさん宅のキッチン。こだわる部分は妥協をせずしっかりとコストをかけた反面、自分たちでできることは労力を惜しまず自ら行う。このメリハリこそが、素敵な空間づくりにおいて大切なことのようです。見た目のお洒落さと機能性を兼ね備えた居心地のよいキッチンがあれば、毎日の暮らしがより豊かになりそうですね。